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ぷくが死にました・・・生前はお世話になり誠にありがとうございました。 [ペット]

「ガタン」と玄関が開く音がして息子が会社から帰ってきたのが分かりました。
急ぎ足でリビングのドアーを開けた息子の肩は小刻みに震え顔は歪んでいました。
隣の部屋に横たわっているぷくを見るなり、押さえていた感情の堰が一気に切られたのでしょう「オイオイ」と声をあげて泣き始めました。
普段感情をあまり表に出さない息子で、そんな取り乱したさまを未だかって見た事がありませんでした。ぷくへの想いが如何ほどだったでしょう。棺に覆いかぶさるようにして泣き続ける息子に家族全員涙が止まりません。もう少し早ければ温もりの残ったぷくに触れらたのですが、すでに冷たくなっていました。ぷくも一番好きだった息子の帰りを待ち焦がれていたと思います。

平成25年2月15日、ぷくは天国へ旅立ちました。享年10歳でした。
ぷくは一昨年の8月頃から時々嘔吐するようになりました。それを記事にしたり、動物病院での検査や点滴の様子を動画でアップしたのをご覧の方もいると思います。
肝臓に障害があるのでは?と診断されたのですが原因は特定できず、対処療法を行うのみでした。その症状は一進一退で、ただ心配なのは日に日に痩せていった事です。5kgあった体重が昨年の11月頃には3kg近くまで落ち、その頃は薬を混ぜていた缶詰を食べなくなり、そればかりか薬を混ぜない缶詰までも食べなくなり、全く餌を口にしないので、このままでは死んでしまうと焦りました。

そんな或る日、TBSの「情熱大陸」で観て知ったのが東京都町田市にある「のづた動物病院」の院長で名医と言われている佐草先生でした。
「埼玉や千葉だったら遠くて無理だけど町田だから車で20~30分じゃない、診て貰おうよ!」
の娘の一言で藁をもすがる気持ちでセカンドオピニオンを受ける決心をしたのです。
「腫瘍かどうかははっきりしないが肝臓全体に白い影が点在し手術で取りきれない。薬で応対しよう。頑張って行きましょう!」と言われた時は正直「もうだめか!」と思いました。
しかし治療を受け点滴をすると次の日は驚くほど元気になったのです。薬も錠剤から液体にして、更に免疫力を高める薬を追加して、今までが嘘のように食欲も旺盛になりました。そしてなにより嬉しかったのは嘔吐をしなくなったので元のように回復するのではと希望が持てました。
昨年の12月から今年の1月の間、ぷくはお腹が空くのかしきりとキッチンに来たり、家族の食事時に突然膝に飛び乗ったり、うっかり目を離すとテーブルの人間のおかずを咥えていたり油断も隙もありませんでした。しかし元気そうに見えていても病魔は確実に進行していたようでした。

2月になり突然血の混ざった消化しきれていない餌を嘔吐しました。診療に行くと「止血剤」を処方されました。しかし思ったような効果はありませんでした。今思えば先生は初診時に回復はないと思っていたかも知れません。
最後となった15日は朝からまったく餌も食べなくなっていました。それでも血の混ざった嘔吐を繰り返すので死期が迫っていると観念しました。嘔吐してぷくの手足は汚物まみれです。昔なら大暴れしたでしょうが抱き上げてシャワーで手足とお腹の一部を洗っても動く力もありません。
「もういいよ、ぷく。お前はよく頑張ったね・・もういいよ・・・」と声をかけました。もし言葉を理解していたら、どう感じた事でしょう。
妻がバスタオルで拭いてやると「グルグルグル・・・」といつまでも猫鳴りをするのです。
その後、毛布に包みホットカーペットに寝かせていましたが徐々に呼吸が速くなり、急に大きく息をしたかと思うと静かになりました。
顔を両手で覆い「ごめんね・・ごめんね・」と繰り返す妻の嗚咽が今でも耳について離れません。

容体をメールで知らせてあった娘は外出先から慌てて帰宅したのですが、残念ながらぷくの臨終には間に合いませんでした。ぷくはまだ温かくて寝ているようで声をかければ目を開けて走り出しそうに見えました。ぷくを抱き上げて棺に入れてくれた娘は泣きながら
「あんなに私が抱っこしなければもっと長生きしたのに・・・」と声を震わすのです。
3月に娘の結婚式があります。
せめてその日まで生きていて欲しかったと思うのはエゴでしょうか。ウエディングケーキには新郎実家のタキシード姿の犬ミックとウエディング姿のぷくが飾られると聞きました。まさかこのような事になろうとは誰が想像できた事でしょう。娘には辛すぎる結婚式になるかも知れません。

平素、皆様には気まぐれで勝手な稚拙ブログをご訪問、また心温まるコメントを残して下さって心から感謝しております。今暫くは抜け殻ようになっている自分が想像できますが「人間万事塞翁が馬」を肝に銘じ頑張っていきたいと思います。
ぷくが当家に来て6年経ちました。ぷくのお陰で家族は癒され和まされ幸せな日々を暮らす事が出来ました。ぷくも幸せに思っていてくれたか?自信はありません。しかし何かの縁「赤い糸」で結ばれていたから当家に来てくれたのだと、これもまた人間の勝手な想いです。
皆様には長い間ぷくの事を可愛がっていただき本当にありがとうございました。

ぷく_遺影.jpg
2013.2.19
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yhiga-siura

ぷくちゃんのご冥福をお祈りいたします。
by yhiga-siura (2013-02-19 18:29) 

mimimomo

こんばんはーー
足跡のナイスを押させて頂きます。
涙が出て止まりません。
ご冥福をお祈りします。
by mimimomo (2013-02-19 19:01) 

Bonheur

お辛いことでしたね・・・ぷくちゃん、zenjimaruさんご家族と生きることができて、幸せだったに違いありません。今頃は天国で、にゃんこ仲間にご家族の自慢をしているのではないかと思います。ぷくちゃんのご冥福をお祈りいたします。
by Bonheur (2013-02-19 22:51) 

のらん

私は、もともと犬を飼っていました。ウチは子供がいないので、その子たちは、私の娘と息子のような存在でした。溺愛していた、と言ってもいい坊主は、12歳のとき、脳溢血のような症状で突然死しました。もう一匹のお嬢は、腎臓病を患っておりましたが、それから一年がんばって生きてくれました。。。もう、7年前のことです。
私はいま、縁あって公園のノラ猫たちと付き合っておりますが、ちいさな生きものの命が、いかに儚く、あっけなく消えていくことを思い知らされています。
ぷくさんは、ご家族に愛され、とても幸せな猫生を全うされました。zenjimaruさんの写真や動画から、その幸せがいっぱい届きました。ありがとうと感謝の気持ちでいっぱいです。
by のらん (2013-02-20 08:40) 

ヤヨ

ぷくちゃんが・・・・。
なんて申し上げたらいいのか、言葉になりません。
心からお悔やみ申し上げます。
zenjimaruさんご家族がぷくちゃんに寄り添い、
してあげたことは出来る限りの最善だったと思いますよ。
そこだけは間違いのないことだと思います。
胸にあいた穴は容易にはふさがらないと思いますが、
どうかご家族皆様、ぷくちゃんのためにもお元気でいてください。
ぷくちゃん、綺麗な模様、ふかふかのおなか、ずっと大好きです!
by ヤヨ (2013-02-21 14:05) 

hisa

記事を読み、悲しみだけではなく、
ご家族のぷくちゃんへの愛情がたくさん感じられました。
ぷくちゃんは幸せだったに違いありません。
そしてこれからは、zenjimaruさんたちの中で
その幸せは生き続けていくのです。
こよなく愛されていたぷくちゃんは、
ケーキの上で祝福の愛を返してくれることでしょう。
by hisa (2013-02-21 17:29) 

mitsu

ぷくちゃん。。。永遠に寝ちゃったんだ。。。
短すぎますよね、ワンコやにゃんこの人(猫)生って。。。
出会いそしてzenjimaruさん達ご家族と過ごした6年間はきっと幸せだったことでしょう
幸せだったに決まってますよ、お写真がそー言ってますもん
そーゆー風に加工したでもいいですよ^^;
私もどれだけ癒された事か!早く元気に立ち直ることを願ってます!
ジョークの効いた鋭いいつものzenjimaruさんが遊びに来てくれることを楽しみに待ってますからねー
このまま、ブログ終わっちゃ嫌ですよー!!!
by mitsu (2013-02-22 15:46) 

Rae

ブログのコメントを拝見して、びっくりして飛んできました。
ぷくちゃんが調子があまり芳しくないというお話を伺ってましたけれど、まさかこんなに早く…。
「飼い主失格」とご自身を責めておられますけれど、ぷくちゃんはそんなこと、きっと微塵も思ってないと思いますよ。
それに、奥様の腕の中で天国に旅立てて幸せだったんじゃないかって思います。
永遠の別れになってしまうとき、おうちの人に見守られながら、一人旅だっていったことは、とても心強かったはずです。
旅立った後も、自分を見て、涙してくれる人がいるということも、ぷくちゃんはとても喜んでると思います。
猫と人間、言葉が通じず、病気のときは、どのようにしんどいのか、はたまた、痛かったのかとか全くわからず、感じ取ろうにも感じ取りきれないでいて、まどろっこしいというか、どうしてやったらいいんだろうかという気持ちだけ焦りますよね。
ぷくちゃんはきっと、その辺の人間の気持ちもわかってくれてるように思います。

nice!は、応援の気持ちとぷくちゃんへのご冥福をお祈りする気持ちです。
by Rae (2013-02-24 22:38) 

nimama

まさかと・・・驚きました。
ぷくちゃんもご家族の皆様もお疲れ様でした。
最後まで頑張って偉かったですね・・・
日記拝見してて、ぷくちゃんみんなに愛されて可愛がられて最高に幸せでしたよ。
いつもいつも後悔は沢山残るけど、また少しずつ時が癒してくれることと思います。
今度はお空から娘さんの幸せ、ご家族皆さんのこと見守ってくれますね。
ぷくちゃんのご冥福心よりお祈り申し上げます。
お空でお家の子達と会ったらよろしくね・・・
by nimama (2013-02-26 16:58) 

mame

遅くなりました。
一度覗きに来た時にショックでなんとコメントしたらよいか分からず引き返してしまいました。
でもぷくちゃん愛されてましたね。
きっとここんちの子になれてとっっても幸せでしたよ。
ぷくちゃんがいたから得られたものも沢山あったんじゃないですか。
ぷくちゃんのご冥福を心からお祈りします。
by mame (2013-03-03 15:58) 

野良ニャン

そうでしたか。
今も容体は悪いのではと思っておりましたが、まさか亡くなったとは。
プクちゃんのご冥福をお祈りいたします。

プクちゃんと御家族にとっては一生忘れえない6年間だったと
思います。もしかしたら人間の家族以上に家族だったのでは
ないでしょうか?
彼らは素直に感じたままに生きている。だからこちらも素直になれる。
一緒に過ごした6年間、プクちゃんが生きた10年間。
プクちゃんはきっと楽しく駆け抜けた6年だったと思いますよ。
楽しくて楽しくて過ぎた6年だと思います。
飼い主はどんなにどんなに尽くしても、後悔の念があると思います。
でも彼らは飼い主さんと過ごした楽しい思い出だけを持って旅立つ
んだと思います。
私なら目が開かなくなるくらい泣くと思います。どうぞたくさん涙を
流してください。そしてその涙で送ってあげてくださいね。

そしていつの日かまた新しいコを迎える時がありましたら楽しく
過ごせることを願っております。
by 野良ニャン (2013-03-04 02:06) 

zenjimaru

皆々様

ご訪問と温かいお言葉を下さってありがとうございました。
申し訳ありませんが、お一人お一人へのコメレスは失礼致します。
励ましのお言葉に元気づけられ嬉しさでモニターの文字が滲みました。
しばらく経つと思いますが、また皆様のサイト訪問をさせていただくつもりです。
by zenjimaru (2013-03-15 11:15) 

くろすけ

ぷくちゃん・・・
すっかりご無沙汰している間に
知らずにごめんなさい。
新しい家族との暮らし
ぷくちゃんも見守ってくれてるでしょ。
楽しい、可愛い姿 ぷくちゃんありがとう
by くろすけ (2013-10-25 12:01) 

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